和モダンのリノベーションを考えはじめて、費用の見当がつかないまま止まっていませんか。畳も障子も残したいけれど、いくらかかるのかが分かりません。
不安に思うのは当然です。リフォームを検討している人が不安に挙げた第1位は「費用がかかる」で、40.3%を占めました。
この記事では、公的な調査で分かっている相場から入り、和モダンで金額が動く場所、見積もりの取り方、使える制度の順にご紹介します。
当メディアを運営するJTOPIAは、有田焼をはじめとする伝統工芸品を扱う事業者です。この記事に掲載した費用の数値は、住宅リフォーム推進協議会が公表している調査報告書と、国が運営する補助金の公式サイトで確認して記載しています。なお、工事費そのものは当社の取扱い対象外です。記事内の一部のリンクにアフィリエイト広告を利用しています。詳しい編集方針は運営者情報・編集方針をご覧ください。
【2025年度調査】リノベーションの費用は平均405万円

まず全体の相場から見ていきましょう。住宅リフォーム推進協議会が毎年行っている調査に、実際にリフォームをした人の金額が出ています。
2025年度の調査によると、実際にかかった費用は平均405万円でした(補助金を含む金額)。和モダンに限った数字ではなく、リフォーム全体の平均です。
検討時の予算|平均310万円で95万円の開きがある
同じ調査で、検討していたときの予算は平均310万円でした。実際にかかった金額との差は95万円になります。
つまり、最初に思い描いた金額のままで終わる人のほうが少ないということです。予算を立てるときは、この開きを見込んでおくと安心でしょう。
住まいの種類でも幅があります。同じ調査では、検討している人の希望予算と最大予算の差が、戸建てで58.7万円、マンションで61.8万円ありました。どちらも、はじめから6割前後の上振れを織り込んでいる計算です。
予算を超えた人|3人に1人が超えている
実際にかかった費用が予算を上回った層は、全体の約3割です。3人に1人が予算を超えている計算になります。
超えた理由の第1位は「設備を当初よりグレードアップしたから」で、前回の調査から7.8ポイント上がりました。想定外の工事ではなく、途中で欲が出るほうが多いのでしょう。
ちなみに、予算を上回った人がリフォームした場所は浴室・洗面所が最も多く、次いでトイレ、キッチンと続きます。水回りは金額が伸びやすい場所です。
築年数|築50年以上は500万円以上が増える
築後の年数でも金額は動きます。同じ調査では、築50年以上で500万円以上の割合が高くなるという結果でした。
古い家ほど、見える部分だけでは終わりません。断熱や配管、下地の補修まで入ると工事の範囲は自然と広がります。和の家を活かしたい方ほど、ここは余裕を見ておきたいところです。
和モダンで費用が動く3か所|内装・建具・水回り

ここからは和モダン特有の話です。畳や障子の工事費には、公的に発表された相場がありません。会社ごとの工法や仕様で幅が出るためです。
そこで金額そのものではなく、どこで差がつくかを押さえておきましょう。見積もりを読むときに、この3か所を見れば内訳の意味が分かります。
内装|壁と床をどこまで替えるかで幅が出る
和モダンの印象を決めるのは壁と床です。
塗り壁にするか、和紙調の壁紙で仕上げるか。畳を残すか、フローリングに替えて置き畳にするか。同じ「和にする」でも、この選び方で金額の幅は変わります。
左官の塗り壁は職人の手間がかかるぶん高く、壁紙は既製品から選ぶぶん抑えやすいです。
建具|障子や格子は既製品か造作かで別物になる
障子・格子・襖といった建具も、和モダンの見え方を左右します。既製品から選ぶのか、寸法に合わせて造作するのかで、金額は大きく変わるところです。
開口が大きいほど、また枚数が増えるほど金額は積み上がります。壁や床に手を入れず、建具だけ替えられる場合もあるので、予算が限られるときは相談してみてください。
水回り|リフォーム箇所の上位3つはすべて水回り
調査でリフォーム箇所の上位に並んだのは、トイレ・便所、浴室・洗面所、キッチン・調理室でした。いずれも3割を超えています。
金額が動くのは、設備のグレードと、配管を動かすかどうか、そして替える箇所の数です。和室まわりに予算を寄せたいなら、水回りは位置を変えずに設備だけ替えるという手もあります。
見積もりの取り方|相場を外さない3つのポイント

全体の平均は分かっても、自分の家がいくらになるかは別の話です。間取りも築年数も違えば、金額も変わります。
ここを埋める方法はひとつです。実際に見積もりを取ることです。取り方には、相場を外さないための決まりごとがいくつかあるので、順に見ていきましょう。
メリット|同じ条件で並べると相場が見える
1社だけでは、その金額が高いのか安いのか判断できません。複数の会社に同じ条件で出してもらって、はじめて自分の家の相場が見えてくるはずです。
金額の比較だけが目的ではありません。同じ要望に対して各社がどんな工事を提案するかを見ると、何にお金がかかるのかが分かってきます。
手書きで構わないので、間取りと替えたい場所を書いた紙を1枚つくって、同じものを各社に渡してください。口頭だけで伝えると、会社ごとに受け取り方がずれます。
出す先|同じ条件で2社から3社に出す
見積もりを依頼する数は、2社から3社が扱いやすい範囲でしょう。5社を超えると、比べる作業そのものが負担になります。
大切なのは数より条件をそろえることです。「和室を8畳、塗り壁と障子で」のように、同じ内容を同じ言葉で伝えてください。条件がずれた見積もりは比べられません。
出すタイミング|範囲とつくり方を決めた直後に出す
早すぎる見積もりは、条件が固まっていないぶん大まかな金額にしかなりません。逆に遅すぎると、工事の内容が固まってから減らす話になってしまうでしょう。
ちょうどいいのは、どこまで手を入れるかと、既製品か造作かを決めた直後です。次の章の3つを決めてから出すと、精度の高い金額が返ってきます。
同じ条件で2社から3社に出すなら、一度の入力でまとめて依頼できるサイトが早道。見積もりの依頼は無料です。
後悔しない業者選びなら!リフォーム簡単見積もりサイト【Re:est】Re:est(アフィリエイト広告)
費用を抑える順番|先に決める3つ

予算を守れるかどうかは、値切り方ではなく決める順番で決まります。先に決めておくのは次の3つです。
範囲|全室か一室かを最初に決める
まず、家じゅうを和モダンにするのか、リビングの一角だけにするのかを決めましょう。ここが決まらないまま進めると、見積もりのたびに金額が動きます。
迷ったときは、いちばん長く過ごす部屋から始めるのがおすすめです。効果を感じやすく、あとから範囲を広げることもできます。
つくり方|既製品でそろえるか造作にするか
建具も収納も、既製品から選ぶか、寸法に合わせてつくるかで金額は変わります。すべてを造作にすると、当然ながら費用は膨らむ一方です。
全部を決めきる必要はありません。目に入る時間が長い場所だけ造作にして、それ以外は既製品でそろえてください。この配分が現実的です。
優先順位|設備のグレードは最後に決める
ここがいちばん効きます。予算を上回った理由の第1位が「設備を当初よりグレードアップしたから」だったことを思い出してください。
ショールームで実物を見ると、気持ちは必ず上を向きます。だからこそ、範囲とつくり方を決めてから、残った予算でグレードを選んでください。順番を逆にすると、3割の側に入りやすくなります。
使える制度|補助金と減税で確認する3つ

工事の内容によっては、国の補助金も使えるでしょう。和室そのものへの補助はありませんが、断熱や設備の入れ替えを同時にやるなら対象になる可能性があります。
補助金|省エネ改修がまとめて対象になる
2026年度は国の3省が連携した「住宅省エネ2026キャンペーン」が動いています。リフォームで使えるのは次の3つです。
| 事業 | 補助の上限 | 対象 |
|---|---|---|
| みらいエコ住宅2026事業 | 40万円〜100万円 | 平成28年以前に新築された住宅 |
| 先進的窓リノベ2026事業 | 1戸あたり100万円 | 戸建住宅・共同住宅 |
| 給湯省エネ2026事業 | 戸建2台・共同住宅1台まで | 戸建住宅・共同住宅 |
古い家を和モダンにするとき、窓や給湯器はほぼ確実に触ります。そこが補助の対象になるわけです。
なお、和室をつくること自体に出る補助金は見当たりません。省エネにつながる工事が対象という前提で、組み合わせを考えることになるでしょう。
期限|2026年12月31日までに申請が要る
公式サイトには、交付申請の受付は遅くとも2026年12月31日まで、予約の受付は遅くとも2026年11月16日までと書かれています。
ただし予算の上限に達した時点で締め切られる仕組みです。年内の工事を考えているなら、逆算して動く必要があります。申請は工事を請け負う事業者が行うので、見積もりの段階で対応可能かを聞いておいてください。
認定制度|長期優良住宅の増改築は活用20.9%にとどまる
補助金のほかに、減税や認定の制度もあります。調査によると、リフォームをした人の認知が最も高かったのは「長期優良住宅の増改築に係る認定制度」で31.0%でした。
ところが実際に活用した人は20.9%にとどまります。制度があることは知られていても、使われきってはいません。知らずに見送るのはもったいない話です。
補助金の申請は、工事を請け負う事業者が行います。制度に慣れた会社かどうかは、見積もりの相談の段階で分かります。
【Re:est】「リフォーム業者選びで失敗したくない」そんなあなたにRe:est(アフィリエイト広告)
工事の前に決めておくこと

最後に、設計の段階で決めておくと、あとから費用が増えにくいものを3つご紹介します。いずれも壁の中や天井裏に関わるため、工事が終わってからでは手を入れにくい部分です。
飾る場所|ニッチは下地と照明を先に決める
玄関や廊下に飾りの棚をつくるなら、壁をつくる前が勝負になります。重いものを載せるなら下地の補強が要りますし、照明を仕込むなら配線も先に通しておく必要があるでしょう。
奥行きをどれだけ取るかで、置けるものも変わってきます。寸法の決め方は別の記事をご覧ください。
あわせて読みたい玄関ニッチの飾り方|寸法から選ぶ有田焼の飾皿床の間|残すか埋めるかを先に決める
和室に床の間がある家では、ここをどうするかで見積もりが変わります。選択肢は、そのまま残す・寸法を詰めてつくり直す・埋めて収納に変えるの3つです。
使いこなせるか不安で潰してしまう方もいますが、飾り方さえ分かれば残す価値はあります。床の間のない家に、あとからつくるという選択肢もあるでしょう。
あわせて読みたい床の間の飾り方|和モダンの家に合わせる掛ける・置く・焚くと寸法の決め方明かり|光の色と位置は工事前に決まる
照明は器具を買えば済むと思われがちですが、配線の位置は工事で決まります。ダウンライトの数も、ペンダントを下げる位置も、あとからは動かせないのです。
電球色にするか昼白色にするかという光の色も、部屋の印象を大きく左右します。器や料理の見え方まで変わるので、器具を選ぶ前に決めておきたいところです。
あわせて読みたい和モダンのダイニング照明おすすめ12選と選び方まとめ
和モダンのリノベーションは、次の順番で考えると予算から外れにくくなります。
- 全体の相場を知る。実際にかかった費用は平均405万円で、予算との差は95万円
- 金額が動く3か所を押さえる。内装・建具・水回り
- 範囲とつくり方を決めてから、2社から3社に同じ条件で見積もりを出す
- 設備のグレードは最後に決める。予算超過の理由の第1位がここ
- 窓や給湯器を触るなら、補助金の対象になるか確認する
金額そのものより、決める順番のほうが結果を左右します。先に範囲を決めて、あとから設備を選んでください。この順番を守れれば、3人に1人という予算超過の側には回りにくくなるはずです。
この記事を参考に、まずは手を入れたい範囲を決めるところから始めてみてください。和モダンの住まいは、そこから動き出します。
出典:住宅リフォーム推進協議会「2025年度 住宅リフォーム消費者(検討者・実施者)実態調査報告書」(刊行物・報告書にPDFを掲載)/補助金の事業名・補助上限・申請期限は住宅省エネ2026キャンペーン公式サイトより。いずれも2026年9月14日に確認しました。

